阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が4日の紅白戦に「1番左翼」でデビューする。沖縄・宜野座キャンプで12球団最速で実戦を実施。打席数の確保と期待を寄せる虎党に配慮し、矢野監督が1番での起用を決断した。関西学生通算14本塁打でリーグ最多記録を更新した大学NO・1スラッガーは、プロでもフリー打撃で驚きの打球を連発中。こん身のフルスイングで衝撃デビュー飾ってや!

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規格外のパワーを誇る佐藤輝が、タテジマデビューの日を迎える。4日の紅白戦に「1番左翼」で先発することが決定。「しっかり打って、アピールしたいと思います」。短い言葉で静かに闘志を燃やした。

ここまでフリー打撃の飛距離は最長で推定145メートル。逆方向へうなりを上げるような打球も多い。魅力たっぷりな長距離砲の実戦デビューを翌日に控え、矢野監督は「佐藤輝を1番で」と力強く明言した。意図は単純明快だった。「1番で打席多く立てたらそりゃいいし。ファンの方も見たいやろう」。無観客が続くキャンプで、黄金ルーキーのプレーぶりを少しでも多くの虎党へ届けるため。佐藤輝も「一番打席が回ってくるかもしれないというのは、チャンスが多いと思う。1本1本集中してしっかりやっていきたい」と起用に応えるつもりだ。白組でユニホームはホーム用を着用。相手先発は17年ドラフト1位で昨年32試合に投げて2勝の馬場が務める。

そして、紅組の1番左翼には6年目の高山が入る。佐藤輝にとっては外野を争うライバルの1人。矢野監督は「(高山)俊だって気持ち入ってやっていて、ライバルなわけだから。同じ条件のところで並べてやってみてもいいかなと思う」と語り、内外に分かりやすくがっぷり組ませる構図に仕立てた。15年と20年のドラフト1位で、同じ右投げ左打ち。ともに鳴り物入りで入団してきた両者にアピール機会が用意された。

デビュー前日の佐藤輝はキャンプ3日目を迎えて少々お疲れ気味? だった。フリー打撃では111スイングで7本の柵越えを見せたが、瞬発系のトレーニングを9種類行う「プライオサーキット」では天を仰ぎながらもん絶の表情。水の入ったおもりを思わず落としてしまう場面も見られた。プロの1軍メンバーにもまれながら、ハードな日々を送っている。それでも練習後は過熱気味の報道陣の問いに「(疲れは)関係ないと思うので、しっかりやることをやりたいと思います」とサラリと受け流した。注目の新人スラッガーがいよいよお披露目。衝撃の弾道を放ってみせる。【只松憲】

▽紅白戦で着用するユニホームは、佐藤輝と高山のじゃんけんで決まった。全体練習前のミーティングで2人が対決。佐藤輝が勝利したチームが白組となりホーム用、高山らは紅組でビジター用に決まった。