那覇の空はルーキーの門出を荒々しく送り出した。17日、今季初対外試合となる広島との練習試合(午後1時開始)が予定されている。沖縄セルラースタジアム那覇は前日の快晴から一転、荒れ模様だった。ドラフト1位平内龍太投手(22=亜大)が先発予定。宮崎での紅白戦に続き、プロ入り2度目の実戦に挑む。口数は多くない。寡黙に先輩たちの背中を追いかけた。

チームの先陣を切って対外試合の先発マウンドに立つ。曇天の空が雨をこらえ、内野フィールドの全面シートがはがされた。広島の試合前練習が通常通りに行われる。原監督は「風が吹くとグラウンドの乾きが早い。何事にも理がある」とプレーボールを待った。

11日の紅白戦から中6日の実戦登板。前回は試合前日が休養日で「いろいろと(調整法を)試してみたい」と、キャッチボールしないノースローで臨んだ。今回の前日調整はブルペン入りはせず、キャッチボールで備えた。自軍と対峙(たいじ)するとのは違う。「1Team」になった1軍の面々を前に原監督は「ペナントレースに際して、我々は選ぶという役割がある。やっぱりゲームにおいての結果というものは最も重要なこと。プロである以上、弱肉強食の中でね。1人1人が勝ち抜いて、1軍のメンバーに入るように」と言った。

今季で那覇キャンプは11年目を迎えた。守り神シーサーに見守られ、シーズンに向けた準備の段階を上げてきた。この日の天候は穏やかさはなく、やや手厳しい印象を受ける。指揮官は「やっぱり実力至上主義。その1点でしょうね」。ドラフト1位ルーキーが戦いのスタートを切る。【為田聡史】