中日福留孝介外野手(43)が20日、古巣阪神との練習試合で初実戦に臨んだ。

3番DHでスタメン出場。移籍後初安打はお預けも、4打席立ち、2四球&犠飛での1打点と、43歳の球界最年長が存在感を見せつけた。

打点を刻んだのは、1点を勝ち越した直後の5回1死一、三塁。「何とかして1点を取りたい場面。最低限の仕事。犠牲フライを打てますよ、と見せていかないといけない」。岩貞から右翼へ打ち上げ、現役続行の機会を与えてくれた球団にしっかりアピールした。

2つの四球でもベテランの味をみせた。1つ目は第1打席で、1回1死一塁の場面。カウント0-2からファウルで粘り、西純から四球をゲット。4番阿部の同点アーチを呼び込んだ。「四球を取ることが、チームの流れになることを、若い選手にも見てもらえればといいな」。ベンチは3打席出場を想定していたが「ちょっと無理を言わせてもらいました」と、8回の第4打席にも向かい、2つ目の四球。こちらも得点に絡む価値あるものだった。

試合前練習では、この日限りでキャンプを去るPL学園の先輩、立浪臨時コーチからキャンプ初指導を受けた。練習後には、阪神時代の背番号8を継承した阪神ドラフト1位佐藤輝とあいさつ。「ルーキーで入って、あれだけバットを振れるのは魅力がある」と、新人スラッガーの姿に目を細める場面もあった。

与田監督も「さすがだな」とベテランの復帰初戦の内容に満足げ。初実戦を指名打者で終えた福留は「いつでも(守備に)入れる準備はできている」という。次回実戦は未定だが、開幕1軍スタメンをにらむ福留劇場の第2幕も目が離せない。【伊東大介】