ガンケルが6回を3安打無失点に抑え、来日2年目で先発初勝利をつかんだ。「今年はこれだけしっかり点も取ってくれるので、本当にチームメートに感謝したい」。来日1年目の昨季も、初登板は同じ神宮でのヤクルト戦。4回3失点で1試合で2軍降格という悔しさを味わったが、見事リベンジを果たした。

持ち前の制球力で丁寧に投げ分けた。4回2死一、三塁のピンチ。迎えた坂口に7球ファウルで粘られたが、12球目の127キロスライダーで二ゴロに打ち取った。「坂口選手は非常にいいバッターなので、とにかく失投しないように。最後の最後、弱い当たりで打ち取れたのは、本当に幸運でした」。集中力を切らさず丁寧に、根気強く投げ続けた。今年から神宮の土が硬い材質となったことも好投を後押しした。「自分がアメリカで慣れているマウンドに近いという感じがした。自分は今年のマウンドが気に入っています」。

この日は野村克也氏の追悼試合。ガンケルも背番号「73」を着用した。「外国人選手からみても、日本の野球に偉大なものを残された方の1人だと思う。そういった方の追悼試合で投げられたこと、そして好投できたことを、本当にうれしく思います」。忘れられない1勝を新たな力に、白星を量産する。【磯綾乃】

◆ガンケルの昨季来日初登板 開幕5戦目の6月24日、神宮でのヤクルト戦でデビュー。1回先頭の坂口に中前打を浴びるなど無死満塁のピンチを招き、村上の一塁ゴロで先制点を献上。雄平の犠飛と山崎のタイムリーで3点を失った。以後は無失点ながらも、3、4回に各2安打を許す不安定な投球に終始。4イニング7被安打3失点で降板した。翌日25日に登録を抹消された。

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