ソフトバンクが2年ぶり開幕4連勝を決めた。先発の笠谷俊介投手(24)が6回1失点の好投で今季初勝利。大分商の1学年後輩、広島森下に助言を受けたチェンジアップもさえ、すべて変化球で7三振を奪った。プロ7年目で初めて開幕ローテーション入りした左腕がチームを勢いづけた。

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9回最後のアウトを見届けた笠谷は、マスク越しにもわかるほどホッとした表情を見せた。「めちゃくちゃドキドキしてました」。初めて開幕ローテ投手として迎えたシーズン最初の登板。緊張感に包まれながらも、はつらつとした投球でチームを2年ぶり開幕4連勝に導いた。

初回は3者凡退の立ち上がり。2回先頭のジョーンズにソロ本塁打を浴び、さらに1死一、三塁のピンチを背負ったが、8番頓宮、9番紅林を連続三振で追加点を許さなかった。3回から6回までは二塁を踏ませない投球を見せ、6回4安打1失点で、今季初勝利。工藤監督は「バテていましたね。力も入っていましたし、最初は仕方ない。6回投げてくれればいいかな」とねぎらった。

自主トレで師事する師匠、和田は一足先に28日ロッテ戦に先発。勝ち星は付かなかったが7三振のうち5個を直球で奪う、ベテランらしからぬ投球を見せた。笠谷は「40歳の投げる球じゃないなと思いました。真っすぐで空振りが取れるのは理想型ですね。さすがだな」と感嘆。この日の笠谷は対照的に「今日は真っすぐを生かしながら、変化球で空振りが取れた」と、すべて変化球で師匠と同じ7三振を奪った。

内訳は4つがナックルカーブで、3つがチェンジアップだ。チェンジアップは今年1月に地元で大分商の1学年後輩、広島森下に会い、投げ方のアドバイスも受けて磨いたボールだ。この日は森下も阪神戦で今季初先発し、勝利を挙げた。「LINEがきて『頑張りましょう』と言われました。あいつも頑張っているので、負けないようにしたい」。昨年セ・リーグ新人王の後輩の活躍も大きな刺激だ。

今季の目標は「2桁勝利」。昨年4勝からの大きなジャンプアップを狙う。「ぼくが2桁勝てば優勝に近づく。勝てるチームなので、今日みたいに粘れたら」とさわやかに笑った。【山本大地】

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