今季初勝利を目指すDeNAに広島のエースが立ちはだかった。開幕投手を務めた大瀬良大地投手は7回まで無四球で散発3安打無失点。二塁を踏ませず、今季初勝利を手にした。「昨年からいろんな思いを持って今シーズンに向かってきた。まずは1つですけど、良かった。この1勝は支えてくれたみなさんにささげたい」。

普段より得意球のカットボールの割合を減らし、スライダー、フォーク、カーブを増やして的を絞らせなかった。7回まで76球の省エネ投球。勝負球には真っすぐを決めた。打者23人に対し、結果球14球が直球だ。前日11得点の打線を寄せ付けなかった。

昨年9月の右肘クリーニング手術を機に投球フォームを見直した。細身ながら150キロ超の直球を投げ込む後輩森下にヒントを得た。19年まで2年連続サイ・ヤング賞デグロム(メッツ)の体の使い方も参考にした。“チャレンジ”とストイックなまでに肉体改造。体重5キロ落とし、筋肉量アップさせた。「1年で身につくものではないと思っている。2、3年意識しながらできるようになれば」と「ヒップトゥショルダーセパレーション」といわれる体の使い方をたたき込む。

今季2度目の登板は試合を完全に掌握し、チームに勝利をもたらした。大胆な自己改革の“チャレンジ”が奏功。進化した投球は被打率、被出塁率ともに1割台。完全復活したエースとともに、広島が1日で首位を奪い返した。【前原淳】

▽広島佐々岡監督(大瀬良について)「DeNA打線が好調な中、球自体が強かった。開幕戦といい今日といい、いい投球をしてくれた。7回までしっかりと抑えてくれたので十分良かった」