ヤマハがベテラン左腕の快投で1勝1敗とし、7日の決勝トーナメント進出へ望みをつないだ。社会人10年目の九谷青孝(くたに・はるたか)投手(31)が、王子戦で公式戦初先発。4安打無四球で初完投初完封を飾り、4-0の勝利に貢献した。「打線が得点してくれて、良い守備もあった。野手に感謝です」と謙虚だった。

最速は130キロ台前半だが、抜群の制球力でテンポの良い投球を披露。変化球にタイミングを合わせてきた相手打線に対し、直球主体の配球で的を絞らせなかった。勝負球には、得意のチェンジアップやスライダーを駆使。凡打の山を築き「(捕手の)高杯のリードのおかげ」と頭を下げた。

これまで救援陣の軸としてチームを支えてきたが、「進化を求めて」首脳陣へ先発挑戦を直訴。重圧のかかる中継ぎ・抑えで精神面をすり減らしてきたことも、理由の1つだった。この日、初めて1人で1試合を投げ抜き「もっと投球に関する勉強をしていきたい。この経験が、リリーフにも生きる」と話した。

チームは予選リーグ突破へ、6日の沖データコンピュータ教育学院戦は必勝態勢になる。九谷は「救援待機になると思う。若手に育ってほしいので、ベテランらしく、できることをやっていく」と、冷静に先を見据えた。【河合萌彦】