先発する高橋優貴投手(24)が連敗ストップを託された。「攻める気持ちを忘れずに丁寧にいくところと、勝負のところとメリハリをつけて投球したい」と首位を走る猛虎打線に挑む。

先発ローテ6人の6枚目。エースから最も離れて開幕を迎えた。オープン戦の終盤は躍動感の欠如を指摘され、2軍降格。闘争心をあおられ、必死さをマウンドで体現した。1度は失ったローテ枠を奪い返した。1日の中日戦で7回1失点。今季初登板初勝利をマークした。粘って、粘ってペースをつくり、114球で投げ抜いた。

プロ入り前は、甲子園とは無縁の無名左腕だった。補欠でもしがみつき、愚直に歩を進めてきた。超高校級スターたちがきらびやかに歩くエリート街道の脇で辛抱強く腕を振り、甲子園までたどり着いた。19年のプロ入りから公式戦での甲子園マウンドは3試合。いまだ自身の勝利はない。野球少年たちのあこがれの場所。黒土に銀傘、伝統的で歴史を感じるバックスクリーン。帽子を飛ばしながら懸命に腕を振る今の高橋には、聖地がよく似合う。

今季最初の伝統の一戦は2連敗と苦戦を強いられている。いずれも、投手陣が踏ん張れず、打線も湿る。3連敗は許されない。高橋が聖地のマウンドで存分に暴れる。【為田聡史】

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