東都大学野球の亜大が10日、硬式野球部選手寮「新日の出寮」の竣工(しゅんこう)式を行い合宿所内を公開した。

真っ青に晴れた空に、白壁の建物がまぶしく映える。現在の「日の出寮」老朽化に伴う取り壊しのため、東京都西多摩郡の日の出キャンパス内に新しい寮を建築。3階建てで、延べ床面積約5694平方メートル。総工費10億円以上をかけ、2人用の部屋が60部屋のほか、食堂や浴室、治療室などを完備。生田勉監督(54)は「どこにもまねることのできない施設だと思う。スポーツはもちろん、Wi-Fiも完備し、リモート授業にも対応。あらゆることを想定し配慮された建物で、学生寮としてモデルになる。自信を持っています」と力を込めた。

寮の新築にあたり、生田監督が設計者へ出した要望は3つ。「選手ファースト・明るさ・透明性」。1階は総ガラス張りで、各部屋には存分に太陽の光が降り注ぐ。また、浴室にはテレビ付きのサウナも完備。水風呂にジェットバス、治療用の電気風呂。選手1人1人のロッカー室にデータ分析室、広々とした治療室、バット保管庫まで。選手ファーストの環境が整った。

現在、春季リーグ戦中だが、開幕から1勝3敗と負け越している。後藤貴大主将(4年=神戸国際大付)は「こんなに素晴らしい寮を作っていただき、恵まれている。僕たちは結果で恩返しするしかない。下ばかり向いてはいられません。上を向いて、元気を出して次の試合(12日、駒大戦)に臨みます」と感謝した。

伝統を引き継ぐ。これまでの「日の出寮」は、この55間で多くのプロ野球選手を輩出し伝統を築きあげてきた。伝統を引き継ぎ、新しい時代へ。亜大野球部の新たな歴史が始まる。

なお、今後は令和4年度までに、雨天練習場、クラブハウス、トレーニングセンターの建築。多目的グラウンドの人口芝の貼り付けや観覧席付きテニスコート、日の出キャンパス敷地の外周を大きく取ったランニングコースの建築を計画。スポーツ競技全般の強化を図る。【保坂淑子】