衝撃の4番デビューだ。プロ初の「4番三塁」でスタメン出場した阪神ドラフト1位佐藤輝明内野手(22)が、4試合ぶりの8号本塁打を放った。2点ビハインドの5回無死満塁。広島先発野村の129キロを捉え、無人の右翼席へ運んだ。

「打ったのはチェンジアップ。前の打席で打ち取られた後に、ジェリー(サンズ)がアドバイスをしてくれて、そのアドバイスを生かして前で拾うことができました。満塁の良い場面で打つことができて良かったです」

球場の弾道測定器「トラックマン」では打球速度172キロ、打球角度25度、飛距離126メートルを記録。初回は1死一、二塁で空振り三振に倒れており、その雪辱を果たした。

阪神新人の4番デビュー戦での本塁打は史上初。また、2リーグ分立後、阪神新人の満塁本塁打は16年高山以来3人目となった。

ここまで全試合で「4番三塁」を務めてきた大山悠輔内野手(26)は休養とみられ、代役を務めた佐藤輝が大きな仕事を果たした。

緊急事態宣言により、4月30日から甲子園は無観客試合。「ファンの人たちがいないと寂しい。テレビ越しでも元気をもらってくれる、そういうプレーをしたい」と語っていたが、言葉通り画面越しにファンへと快音を届けた。降雨ノーゲームとなった前日1日広島戦は、同い年の高橋昂から見逃し三振を喫したが、仕切り直しの一戦で、怪力を見せた。

佐藤輝は開幕2戦目の3月27日ヤクルト戦(神宮)でプロ1号を放ち、12球団断トツの三振数ながらフルスイングを貫き本塁打を重ねてきた。広島戦は今試合前まで、6試合でカード別最高の打率3割4分8厘、3本塁打。好相性の相手からこの日も打った。

チームは4月を両リーグ一番乗りの20勝で締めた。単独での一番乗りは03年5月5日以来18年ぶり。4月終了時点での20勝到達は球団初で、佐藤輝もドラフト新人最多タイの3、4月7本塁打で貢献した。5月に入っても勢いは止まらない。初めてのシーズンが開幕して1カ月が経つが、怪物ルーキーは疲れ知らずで打ち続ける。

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