“道産子ドラ1”ルーキーが、地元北海道での初勝利を狙う。鹿部町出身の日本ハム伊藤大海投手(23)が、14日ソフトバンク戦(札幌ドーム)で6度目の先発マウンドに上がる。敵地で迎えた前回4月28日同戦で、プロ初勝利を手にしたばかり。本拠地では、これまで2試合に先発も勝ち星がない。恒例の北海道シリーズも、14日からの3連戦で終了。自身の名前のごとく、海をイメージしたユニホームを身にまとい、地元ファンに白星を届ける。

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北海道で生まれ、北海道で育った右腕が、恩返しのマウンドに臨む。福岡で待望のプロ初勝利を手にしてから、2週間。14日ソフトバンク戦に先発する伊藤は「北海道で勝つのと地方で勝つのとでは、違う気持ちになれると思う」。開幕から先発枠で奮闘し、ここまで5試合連続でクオリティー・スタート(QS)を達成も、札幌ドームでは、まだ勝ち星がない。「まずは北海道で1勝して安心したい」と、本拠地初勝利へ気持ちを高めた。

4月28日同戦でプロ初勝利後、チームは新型コロナウイルスの影響で1軍が活動が停止に追い込まれ、すっかり登板間隔が空いてしまった。「キャッチボールも出来ない状態だったので、体が緩みすぎないように、部屋で出来ることを考えながらトレーニングをして過ごした」。“巣ごもり”期間中、地道に体幹を鍛えて練習再開を待った。「しっかり休んだ分、思い切って初回から行けたら」と、久々の本番を楽しみに待つ。

毎年恒例の北海道シリーズも、14日からの3連戦が最後。今年の限定ユニホームは、光り差す深海をコンセプトにした青色のグラデーションが特徴だ。父が漁業を営み、海にちなんだ名前を持つ右腕は「もしかしたら着る機会がないんじゃないかなと思っていたので、楽しみ」と、ニッコリ。太平洋に臨む地元鹿部の豊かな海を思いながら、約1カ月ぶりの本拠地マウンドで魂の投球を見せる。【中島宙恵】