背中の張りで2軍調整中の阪神大山悠輔内野手(26)が、25日開幕の交流戦に4番で復帰することが濃厚になった。21日からのウエスタン・リーグ中日3連戦(鳴尾浜)に、問題なく出場できれば昇格にGOサイン。大山離脱後の4番は佐藤輝が務めているが、井上一樹ヘッドコーチ(49)は「俺は基本的に4番は大山悠輔だと思っている」と構想を明かした。主将が指定席に戻り、難敵のパ・リーグ撃破へ強力打線を組む。

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頼れる主砲の復帰が近づいてきた。矢野燿大監督(52)は20日、大山の再昇格について「明日から鳴尾浜で(2軍戦が)ある。そこで試合に出て、大丈夫っていうのが一番スタンダードかなと思っている」と説明。21日からのウエスタン・リーグ中日3連戦(鳴尾浜)に出場して問題なければ、いよいよ1軍にゴーサイン。25日から始まる交流戦のロッテ戦(甲子園)に満を持し、背番号3が帰ってくる。

チームは2位巨人に4・5ゲーム差をつけて首位を快走するが、19日に糸原が下肢のコンディショニング不良で離脱するなど、全体的に疲れが見え始めている。そんな中で大山が万全で帰ってくれば、首位固めのギアがさらに上がる。ではその時、どの立場で帰ってくるのか。離脱後の4番は新人佐藤輝が堂々と務めている。井上ヘッドコーチは「悠輔が入ってきた場合、どうしますということまでは、まだミーティングしてない」とした上で、構想を明かした。

「俺は基本的に、4番は大山悠輔だというふうに思っている」

怪物ルーキー佐藤輝も、直近3試合で12打数1安打と下降気味で9試合ノーアーチ。4番実績が豊富な主将を指定席に戻し、打線を再活性したい狙いも見える。何より、離脱の悔しさを味わった主砲の意地への期待も大きいだろう。阪神にとって苦手な交流戦は、16年ぶり優勝へさらに前進できるかどうかの大きなポイント。大山の復帰でパ・リーグに負けない強力打線が形成できる。ポジションはもとの三塁で、佐藤輝が右翼に戻るプランが濃厚だ。

大山は19日の2軍プロアマ交流戦のマツゲン箕島戦(鳴尾浜)で実戦復帰する予定だったが、雨で流れた。その前日の18日はシート打撃で5打席立ち、全開をアピール。平田2軍監督も「体的には何の問題もない」と回復具合に太鼓判を押した。あとはゲーム勘を取り戻すだけの状態にある。

この日のヤクルト戦は今季5度目の雨天中止。矢野監督は「野球選手は雨はね、うれしいというのもいつでもあるし。まあまあ、いいように捉えてやっていけたらいいなと思う」と前を向いた。大山復帰まで残り3試合。最高の状態で主将を迎え入れるべく、敵地広島に乗り込む。【中野椋】

 

◆阪神大山復帰後見込み25日ロッテ戦(甲子園)の予想オーダー

<1>(中)近本

<2>(二)中野

<3>(一)マルテ

<4>(三)大山

<5>(左)サンズ

<6>(右)佐藤輝

<7>(捕)梅野

<8>(遊)小幡or山本

<9>(投)投手