1年前の今ごろ、何してた? 首位阪神を支えるのがドラフト1位佐藤輝明内野手(22)、同2位伊藤将司投手(25)、同6位中野拓夢内野手(24)の新人トリオ。アマチュアだった昨年の今ごろはコロナ禍により1度目の緊急事態宣言で、公式戦中止や活動自粛など大変な時期を過ごした。その期間をどのようにプラスにしたのか、それぞれが所属した監督に当時の様子を振り返ってもらった。

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関西学生春季リーグが行われていれば、佐藤輝がつくったリーグ通算本塁打記録14本も「15、16本と上乗せできたと思いますよ」と近大・田中秀昌監督(64)は話す。昨年の4月から6月初旬まで野球部も活動自粛。佐藤輝は奈良・生駒市の寮から兵庫・西宮市の実家に戻り、リモートで授業を受ける日々だった。

学生たちから、毎日の自主トレ内容がLINE(ライン)で首脳陣に報告が入るだけ。だが、田中監督は「佐藤は自分で考えて練習できる子。活動停止時期でも心配はしていなかった」と信頼していた。自宅で筋力トレーニング、バドミントンのシャトル打ちなどに励んだ佐藤輝はひとまわり大きくなった体で再開初日を迎えた。春のリーグだけでなく大学野球選手権も中止。田中監督が「日本一へのチャンスが戦わずして消えましたから。その悔しさはあると思います」と話すように、プロで勝ちたい、優勝したいという気持ちが現在の活躍につながっている。【石橋隆雄】