広島は25日に、26日までの「日本生命セ・パ交流戦」の西武戦2試合を延期することを発表した。同日午前に開かれた臨時の実行委員会で決まった。阪神3連戦(21日~23日)から5試合連続の延期という事態にも、佐々岡真司監督(53)は前を向く。マツダスタジアムで行われた個別練習を視察し、再出発の覚悟を固めた。

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各地で交流戦が2年ぶりに幕開けする中、閑散としたマツダスタジアムのグラウンドには、ジャージー姿の佐々岡監督がいた。午前中に臨時実行委員会で26日までの西武戦2試合の延期が決定。と同時に、27日の西武戦の実施が決定的となった。広島はこの日のPCR検査で2日続けて全員が陰性と判定された。26日のPCR検査結果が最終判断となるが、当日まで個別練習するなど選手同士の接触を避けていることで、仮に陽性者が出ても影響は最小限にとどめられる。試合実施となれば、広島にとっては19日巨人戦以来、8日ぶりの実戦再開だ。

佐々岡監督 プロ野球ファン、西武ライオンズ球団のみなさまには申し訳ない気持ちでいっぱいです。選手も、我々も、不安がある中、それでも27日には選手は準備をしてくれると思いますし、我々もそれを信じてともに戦いたい。

22日に再開した個別練習は時間もメニューも限られる。ブランクに加え、調整不足とも戦わないといけない。何より、感染拡大による精神面の影響が心配される。それでも、指揮官は「選手はその中で一生懸命しっかり準備してくれていると思います」とナインの強さを信じている。

当面の間は「感染拡大防止特例2021」の対象選手として出場選手登録を外れた選手を欠いた中での戦いを余儀なくされる。九里ら3投手はいずれも先発ローテーションを務めていた。主力の菊池涼や鈴木誠に、経験のある長野だけでなく、レギュラーポジションを奪う勢いだった羽月や小園、石原という若手も抜けた。特に野手は6人の右打者が離脱となり、首脳陣はチーム編成に頭を悩ませそうだ。

交流戦はシーズンの行方を大きく左右する。19年はリーグ首位で迎えながらも、12球団最下位となる5勝12敗1分けと大きく負け越し、リーグの順位を落とすだけでなく、その後の失速につながった。佐々岡監督は「今いるメンバーの中でしっかりと見極めながら1戦1戦、調子が良い者の中から選んでいきたい」と覚悟を決める。選手が全員そろうまで、総力戦で挑んでいく。【前原淳】

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