日本ハムは30日、中日戦(札幌ドーム)に敗れ、5カード連続の負け越し。借金は今季ワーストの「11」に膨らんだ。だが苦しい展開の中で光ったのは5回1死満塁でマウンドに上がり、併殺打でピンチを脱した河野竜生投手。23歳の誕生日を好投で飾り、連続試合無失点を「13」に伸ばした。

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昨季ドラフト1位左腕、河野の見事な火消しも報われなかった。アーリンが4回までに2点を失い、5回も玉井が1点を失ってなお1死満塁の大ピンチで、河野がマウンドに上がった。中日高橋周に粘られながらも「自分のボールを信じて投げた」という11球目、外角低めのカットボールで投ゴロ併殺に打ち取り、グラブをたたいてガッツポーズだ。

この日が23歳の誕生日。6回も3者凡退に仕留めて打線の援護を待ったが、攻撃陣に逆転の気概は残っていなかった。

開幕当初こそ先発枠に食い込んだが、途中からは中継ぎへ。だが救援にまわって以降、13試合連続無失点と頼れる存在になった。「最初は悔しい気持ちもあったけど、1軍の舞台で投げさせてもらえるのは有り難い。先発と違って、1球目から全力で行ける」。長いイニングも投げられ、今やブルペンに欠かせない存在になっている。栗山監督は「あそこで投げられる投手は、なかなかいない。(試合を)ひっくり返して、勝ち投手にしてあげられたら良かったんだけど…。申し訳ない」と悔しがった。

新型コロナ禍による1軍の活動停止など苦難に満ちた5月も、この日の試合が最後。7カード中、勝ち越すことが出来たのは1カードだけだった。借金は今季ワーストの11に膨らみ「なかなか、流れの中で一気に(チームを)いい形に変えられない。しっかり、大きな流れが作れるようにやっていきます」と指揮官。仕切り直して、6月に臨む。【中島宙恵】

▼日本ハムは30日の中日戦に敗れ、借金が今季ワーストの11となった。借金11は17年以来4年ぶり。17年は19試合目の4月22日西武戦で早くも借金11となり、その後も借金が増え続け、101試合目の8月13日ソフトバンク戦で33までふくらんだ。最終的には60勝83敗の5位でシーズンを終えた。

▽日本ハム荒木投手コーチ(河野に)「勝ち試合もそうだし、今日のような劣勢の場面でも仕事をしてもらっている。本当に頭が下がる思いです。ナイスピッチでした」

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