オリックス吉田正尚外野手(27)の今季初三塁打が、チームを救った。5-7で迎えた8回。1点差に迫り、なおも2死二、三塁でヤクルト・マクガフの速球を捉え、逆転の2点三塁打に。負ければ今季最多タイの借金6を抱える苦境を、一振りでひっくり返した。

「『ルーズベルトゲーム』ですよね。盛り上がりますね。取ったり取られたり、見応えのある試合。チームとしても大きな1勝だったんじゃないかなと思います」。常に冷静な吉田正も、声を弾ませた。会心の勝利だった。

故意四球(敬遠)は18年から3年連続リーグ最多で、今季の4もトップ。終盤の好機で一塁に歩かされるたび「本当は勝負したいですけどね。でもチームとして考えると、塁に出ているということは次の打者につなげられているということ」と、真剣勝負への渇望に折り合いをつけてきた。

だからこそこの日、守護神マクガフとの対決に、気持ちは奮い立った。カウント1-3からの155キロ速球を空振りしたが「まっすぐを1球見られたのが大きかった。3ボール2ストライクで速い球にしっかり反応できた」と続く153キロをはじき返した。

5月最終戦をマルチ安打で締めくくり、月間89打数34安打の3割8分2厘、24打点、6本塁打。月間MVPの可能性もふくらむ。

6月1日からの次戦は、阪神と甲子園で対戦。「同じ関西の対決で、しっかり勝ち越して借金を返していく。ベストを尽くす」。ドラフト1位の佐藤輝らが大暴れするトラを相手に、2カード連続勝ち越しを狙う。【堀まどか】

▽オリックス中嶋監督(吉田正の逆転打に)「ああいうところで打ってくれるのが、頼もしいです」

▽オリックス杉本(出場6試合ぶりの先制12号2ランを含む3打点)「ここ最近、インコースを攻められていましたし、インコースのボールに対していい反応で打てました」

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