阪神19年ドラフト3位の及川雅貴投手(20)が2番手で登板し、ラッキーなプロ初勝利を挙げた。試合は壮絶な打撃戦で9-8。1点リードを守り切った守護神スアレスからウイニングボールを手渡されると、笑顔がはじけた。

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及川は、中3の冬、テレビ番組で西武森と対戦したことがある。あれから4年。収録の舞台と同じメットライフドームでプロ同士の再戦が実現した。

及川が所属した匝瑳(そうさ)リトルシニアの越川康弘監督は、森と対決した当時をよく覚えている。越川監督は下級生の指導で現地に行けなかったが、チームメートは千葉・匝瑳市から埼玉・所沢市まで、大勢応援に駆けつけた。帰ってきた及川は「平田選手(中日)は抑えたんですけど、森選手にはがっつり打たれました!」と、うれしそうに話したという。この日の“再戦”には「これも巡り合わせですね」と感慨深げ。「ごっちゃん勝利ですよ! (本当の)初勝利は、ちゃんと先発して長いイニングを投げてからです」。そう笑いながら「元々才能はあって、自信がつけばと思っていた。粗削りな部分もあったので、こんなに早く勝ち星がつくとは。この1勝で自信をつけてほしいですね」と喜んだ。