初出場の国学院大(東都)が逆転勝ちで初戦を突破し、8強入りを決めた。リーグ戦から、公式戦9連勝とした。

5回まで2安打に抑えられていた重たいムードを、主砲がひと振りで変えた。2点を追う6回2死。春のリーグ戦で本塁打、打点の2冠を獲得した山本ダンテ武蔵外野手(4年=大阪桐蔭)が左中間へソロ本塁打をたたき込んだ。そして続く7回。先頭の伊東光亮内野手(1年=大阪桐蔭)が三塁打でチャンスをつくり、青木寿修(ひさなが)外野手(3年=国学院栃木)が左前へ同点適時打。なお2死三塁とし、川村啓真(けいしん)外野手(4年=日本文理)の右前適時打で勝ち越した。さらに2死一、三塁からは、山本が初球を左前へはじき返し、この回一挙3点を奪った。

憧れていた東京ドームでのアーチを放った山本は「自分は中心打者として任されているので、なんとかチームを変える一打を打ちたいと思った。1点さえ、こじ開けられたら大丈夫だなと思った。よしこれで(チームに)勢いをつけられたというのが、一番うれしかった」と振り返った。鳥山泰孝監督(46)も「ダンテが普段通りの打撃をしてくれたので、それでチームが勇気づいて、いい雰囲気をつくってくれたと思います」と主軸の1発をたたえた。

0-2の5回終了後のグラウンド整備の時間をつかい、ベンチ裏で全員が集まりミーティングを行った。鳥山監督は「勝ちゲームのような雰囲気をつくれ」と言葉をかけ、それからベンチではさらに声が出た。守備でミスがあった川村は「自分はちょっと落ちている部分があったんですけど、4年生中心に(学生コーチの)川岸、ダンテを中心に、まだここから後半戦というのが選手の中にもあって、絶対逆転できると信じてプレーすることをチームで確認しました」と明かした。

リーグ戦で1番打者として活躍した山崎晃太内野手(4年=宇都宮工)が、1回の打席でヘッドスライディングした際に左手親指を痛めて2回から交代するアクシデントがあったが、チームで乗り越えた。鳥山監督は、山崎の10日の準々決勝の出場について「難しいと思います」とした。

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