福井工大(北陸)が接戦を制して初の決勝進出を果たした。

1回に尾堂吉郎内野手(4年=れいめい)の左前適時打で先制した。この1点を必死に守ったのが投手陣だ。5回1死満塁で救援した立石健投手(3年=大体大浪商)がスライダーで遊撃併殺打に仕留め、ピンチを脱出した。6回以降も要所を締める投球で逃げ切った。

下野博樹監督(60)は「先日までの(猛打ぶりの)打撃は夢を見ていました。この形がウチの形です。先行して逃げ切る。投手がつないで1点、2点を守る。従来のウチの形です」と胸を張った。体重130キロと巨体だが、テレビインタビューで胴上げについて問われると「ハハハハハ。この体を上げてくれるか。選手はへばっているんでね。それでも夢を見て」と笑わせた。10日の名城大(愛知)戦は大会最多タイの17得点を挙げたがこの日は一転して投手戦。投打の歯車がかみ合った北陸の雄が、安定感のある試合運びで13日に慶大(東京6大学)との決勝に挑む。

▽福井工大・町田公二郎総合コーチ(客席で快勝を見届けて)「2点しか取れなかったが、投手陣が頑張ってくれた」

▽福井工大・木村哲汰外野手(8回の中前適時打など2安打で1大会最多タイの11安打)「記録はうれしいが、チームのため、自分の打撃を貫きたい」

▽福岡大・堀壮太監督(決勝進出ならず) 「あと1点が遠かった。全国の常連で試合がうまかった。(初の4強に)新たな歴史、新たな階段を見せてくれた」