負けないけど勝ち切れない。ソフトバンクは同点で迎えた8回1死満塁の絶好機を生かせず、今季14度目のドロー。

9回打ち切りの特別ルールで全体的にドローが多い今季だが、12球団で単独最多の引き分け数となった。

3番手佐々木千を攻め、2本の内野安打と四球で作ったチャンスだった。しかも3番柳田、4番栗原へと続く好打順。勝ち越しの期待はふくらんだ。だが、柳田は力のない投ゴロ。栗原も二塁正面のゴロに倒れて無得点。この日最大の得点機を逃し、3週間ぶりの連勝をつかみ切れなかった。

前日は8試合ぶり勝利を挙げて機能した新打線だったが、ロッテ先発の鈴木らにも苦戦し、得点は松田のソロ本塁打だけに終わった。工藤公康監督(58)は「まあね。打てるときもあるし、打てないときもあるし、本人も相当悔しそうにしていましたしね。そういうのが必ず結果になって表れるときが来る。自分に怒りがこみ上げてきたとしても、グッとこらえて。この怒りを必ず爆発できるときがあるのでね」とコメント。好機を生かせなかった主軸2人の心中も思いやった。

月間4勝と勢いに乗れない6月は、まだ6試合を残したところですでに月別最多6度目の引き分けとなった。指揮官は「上にいればそれがプラスに働く、下にいればマイナスに働く。プラスにとらえてやっていくことが何より大事。決して負けではないのでね。絶対に先々、あの引き分けが大きかったということになると思うので。そう信じてやっていきたい」と前向きにとらえた。24日の3戦目はスカッと勝って、3カードぶりの勝ち越しを決めたい。【山本大地】