オリックスが福田周平内野手(28)の“ビックリ弾”で首位をがっちりキープした。

「無我夢中だった。感触は正直覚えていない。越えろ!と思ったけど、入るとは正直わからなかった」。167センチ、69キロの伏兵が、ほぼ全力疾走でベースを駆け抜けた。

1点リードの2回1死二、三塁。「カウント2-0でストライク欲しいだろうなと。迷わずに振り切ろうと覚悟を決めた」。握り拳1つ以上短く持ったバットから、右翼席へ1号3ラン。プロ4年目の4本目は自身2年ぶり、主導権をガッチリ握る千金弾となった。

中嶋監督も一塁側ベンチで思わず両拳を突き上げた。「まさかの…。越せ! と思ったけど、フェンスを越すとは思わなかった」。

MLB通算2428安打&622盗塁のケニー・ロフトン氏に憧れ、19年12月上旬から2週間、米国ヒューストンで武者修行。自分で英文メールを送り、ジムを予約した。出国前は「体が弱いと、頭で理解していても良いプレーができない」と話していたが、帰国後は「パワーが大事? 本当はそうじゃなかった。体の使い方が大事」と新境地を開拓した。常に「今、必要」を求める。新しい本を手に取った時も「最初に目次を読む。前から読むより、自分が欲しい要素から」と合理的。チームが欲しい要素に最高の結果で応えた。

“偶然”の1発ではない。

昨オフに中堅挑戦を直訴。出場機会を求めて「人生初」の外野グラブを持った。「もう誰にも、ポジションは渡さないつもり」。連日の日替わりヒーロー登場で7年ぶりの貯金10。2位楽天に今季最大の3ゲーム差をつけた。独走モードに入ってきた。【真柴健】

◆福田周平(ふくだ・しゅうへい)1992年(平4)8月8日、大阪府生まれ。広陵-明大-NTT東日本を経て17年ドラフト3位でオリックス入団。19年にはチーム最多の30盗塁。167センチ、69キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸3700万円

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