DeNAの最年長選手、大和内野手(33)が23日、高卒2年目の森敬斗内野手(19)に対し、度量の広さを見せた。

森がオールスター直前の10日に1軍に昇格。4試合に遊撃でスタメン出場し。打率2割7分8厘、2得点、1盗塁と活躍した。大和は同じ遊撃も守るが「能力の高い選手ですし、これからベイスターズを背負っていかないといけない選手。自分ができるアドバイスがあれば教えていきたい」と広い心で接していく意向を示した。

既に助言を与えている。12日阪神戦(甲子園)では、遊ゴロを捕球した森が一塁へ高い球を放り、悪送球でプロ初失策を記録した。これを「肩が強いからこそ暴投した」と分析した大和は「もう少し足を使って楽に投げた方がいいよ」と伝えた。「守備に関して、数試合でハンドリングのうまさも自分は見えた。肩の強さも、今の1軍の選手にないスピードも持っている。すごく魅力的だなと思う」と森のポテンシャルを認める。競いながらも、チーム最年長、プロ16年目の経験を伝授する。

躍動する森に、自らの若いころを重ね合わせている。05年の高校生ドラフト4巡目で阪神に入団し、1軍では09年にプロ初出場した。「本当にいい意味で刺激ももらってますし、自分の若いころと照らし合わせて、いろんな感情が出てきている。若い時は怖さもないですし、自分が思うままのプレーをしている。自分もそういう思い出がある。年齢を重ねる前の怖さのないプレーをうらやましいなと思う半面、いろんな経験して成長していくのかなと見守っている形ですね」。森は11日の中日戦(バンテリンドーム)の9回2死、右前打で出塁した。アウトなら試合終了の場面で、プロ初盗塁を決めた。これが同点のホームインにつながった。怖いもの知らずの若者が、思い切りの良さでチームを救った。

大和は二塁も守れる。前半最終戦の14日阪神戦(甲子園)は2番遊撃森、7番二塁大和で、2人ともスタメンに名を連ねた。「(後半戦は)自分も想像できないが、遊撃にしても二塁を守るにしても、いい準備で入りたい。今はショートしか(練習を)やってないが、試合では二塁に入る機会あると思う」。だからといって、簡単に遊撃のポジションを明け渡すつもりはない。「もちろん負けたくない気持ちはありますが、任されたところでやるだけです。そこは素直に受け止めてやっていきたい」。師匠として、よきライバルとして15歳年下の森とプレーを続けていく。【斎藤直樹】