日本ハム石井一成内野手(27)が“自己最多タイ”4安打の固め打ちで、正遊撃手に前進した。4日、エキシビションマッチDeNA戦(函館)に「8番遊撃」でスタメン出場。2回1死走者なしの第1打席から、長短打を重ね4打数4安打を記録した。

試合途中の、横殴りの雨を物ともせずに白球を捉えた。速球派右腕ロメロの変化球に合わせて2安打を稼ぐと、6回には2番手の左腕桜井から中越え三塁打をマーク。8回には中川から、あと数十センチでフェンスオーバーの特大二塁打を放ち、力の増した打撃を次々と披露した。

ヒーローインタビューでは「シーズン中に(4安打)打ちたかったですけど…」と苦笑い。あと本塁打が出ればサイクル安打だったが「シーズン中に打ちます」と珍しく声を張り上げ、函館に集まった3009人のファンを沸かせた。

プロ5年目で現状打破の気配漂う。1試合4安打は、1軍公式戦ではプロ1年目の17年9月26日オリックス戦以来。「あの時とは全然違うと思います。少しずつレベルは上がっている。強いスイングをすれば、いいところに飛んだり長打になるしヒットになる」と確信している。

東京オリンピック(五輪)では、出身の栃木から過去最高17人が出場。中でも作新学院の同級生、水泳の萩野公介には注目していた。「(メダルを逃し)ちょっと悔しいです。本当に応援していたので、刺激はもらっています」という。世界相手に戦った勇姿を目に焼き付け、勝負の後半戦で力を発揮する。【田中彩友美】