巨人は負けなかった。1点を追う9回。好調吉川が中前打で出塁すると、途中出場の増田大が初球で犠打を成功させた。1死二塁、途中出場の若林も初球142キロカットボールを中越え適時二塁打で追いついた。無死一塁の場面から、わずか2球の“超スピード攻撃”でヤクルトの勝利を阻んだ。「何とか(走者を)かえしたいという気持ちで。それだけです」と若林。原監督も「いい引き分けだよね」と評した。

始まりも苦境だった。1回に先発山口が、2四球と自らの失策で無死満塁とし、内野ゴロの間に先制点を献上した。2回に岡本和の33号ソロで食らいつく。山口は2回以降は別人かのような好投で、7回2安打1失点。7回無死一塁で岡本和に代走増田大、中田に代打若林と投入し、勝負に出た。指揮官は「あの回、勝負イニングだと思ったんですけどね。勝負にいったわけだからね」。攻めの姿勢を貫いた。

ヤクルトとの首位攻防3連戦は、2勝1分けの負けなしで勝ち越し、今季最多の貯金15をキープした。次カードは2位阪神と3連戦で首位攻防が続く。首位で乗り込む甲子園。ツバメに続き、虎を振り払う。【為田聡史】

▽巨人山口(1回に2四球と失策で先制点を献上したが7回1失点)「立ち上がりは自分のミスで点を与えてしまった。次の登板は、より入り方を気をつけてマウンドに立ちます」