阪神糸井嘉男外野手(40)が代打で適時二塁打を放ち、反撃ののろしを上げた。

0-3の6回。先頭大山が戸郷からチーム初安打で出ると、代打のコールに聖地がさらに沸いた。「新井良太コーチもお尻をたたいて、打席に向かわせてくれた」。チーム最年長は周囲の期待を全身に感じて打席に向かった。

カウント3-2まで1度もスイングせずに好投する右腕と対峙(たいじ)した。6球目。外角の148キロの直球を右中間へはじき返し、二塁ベース上で人さし指を突き上げた。「大山が塁に出てくれたので、とにかく自分もつなぐ気持ちで」。淡々としたコメントだったが、矢野監督は「最高の形でつなげてくれた。最高の結果で。よく打ってくれた」と追い上げムードを高めた大きな1点に笑みを浮かべた。試合後の糸井は西勇に両肩をもまれてねぎらわれた。

後半戦の代打は11打数4安打でその打率は3割6分4厘。疲労のたまる夏場にベテランは調子を保っている。「明日もそうですし、これからもまだまだ大事な試合は続くので。毎日、最高の集中でみんなやっているので、明日も頑張ります」。

先発は6月13日の楽天戦を最後に遠のいている。それでも糸井は“最高の集中”で目の前の試合に備えている。【前山慎治】