ソフトバンクは6月5日阪神戦以来の2桁得点で首位オリックスに逆転勝ちした。引き分け以下なら自力優勝が消滅する状況で、底力を見せた。勝率も5割に戻し、工藤公康監督(58)は「こういう状況というのはみんなよく分かっていると思いますし、何より勝ちに一番飢えているのは選手たちだと思うので。その思いがしっかり出ていたかなと思います」と胸をなで下ろした。

1点を追う5回に猛攻があった。2四球と内野安打で無死満塁とし、甲斐が中前へ逆転2点適時打。後半戦初打点が殊勲打となり「チームは優勝するために戦っていますし、今もその思いは変わってない。誰もあきらめていない。最後まで戦い抜きたい」と仲間の思いを代弁した。さらに牧原大が適時打、デスパイネも3点適時二塁打と畳み掛けた。とどめは中村晃が4号2ランでこの回8点目。1イニング8得点は今季最多で18年4月1日オリックス戦以来、3年ぶりの集中打となった。

土壇場の勝利で踏みとどまったが、5日も引き分けか負けなら自力優勝が消える状況は変わらない。工藤監督は「勝つたびに、きっかけきっかけといろんな方に言っていただいているので。本当の意味での、今日をきっかけにして、明日この勢いのままいきたいと思います」。首位とは5ゲーム差。チーム一丸でつかんだ1勝を大逆転Vへの足掛かりとする。【山本大地】

▽ソフトバンク牧原大(今季11度目のマルチ安打で2打点)「けがで野球ができなかった分、残りの試合を全力で戦いたい。チームもまだ優勝を諦めていないので全力で戦っていきたい」

▽ソフトバンク・デスパイネ(5回2死満塁で走者一掃の二塁打)「満塁のチャンスだったので、とにかく自分のベストスイングをしようと打席に入ったよ。いいスイングが出来たね。ここからチームが勝ち続けるために、力になっていくだけだよ」

▽ソフトバンク中村晃(5回に4号2ランなど2安打2打点)「みんながつないで得点を重ねる中で、いい流れで自分も続くことが出来て良かった。なんとかここからチーム一丸となって勝っていければ」

▽ソフトバンク柳田(1回に25号先制ソロ)「打ったのはスライダー。少し詰まったが、いいスイングで振り切ることが出来た」