阪神ラウル・アルカンタラ投手(28)が中継ぎとしての技を2軍で磨いている。

先発の村上頌樹投手(23)が5回裏の3つ目のアウトを奪ったタイミングで投球練習を開始した。ブルペンでは左足を引くノーワインドアップでの投球もしていたが、6回のマウンドにはセットポジションで上がった。その理由を「中継ぎとして、ランナーがいる場面で投げることが多くなるから、今日はセットからの投球に変えた」と明かした。さらに先頭の岡林勇希外野手(19)との対決ではクイックで投じたり、足をゆっくり上げたりと打者のタイミングを外す工夫の投球を見せた。「クイックや足の上げるタイミングに変化をつけてみた。初めての試みだったけど、試合で試すことができてよかった」。“中継ぎ”としてどうチームに貢献できるかを考えてマウンドに上がり、この日は無失点投球を披露した。

アルカンタラは後半戦から中継ぎに転向。4試合連続無失点で中継ぎへの適性も感じられた。しかし中継ぎ5試合目の8月27日1軍広島戦(マツダスタジアム)ではアウトを1つしか奪えずに2失点。同30日に出場選手登録を抹消された。20年は韓国球界で20勝を挙げ、鳴り物入りで来日したが思うような結果が残せずリリーフ待機するようになった。それでも右腕は「先発、リリーフ関係なく、与えられたポジションでチームにしっかり貢献したい」と役割を問わず腕を振る覚悟だ。今はまず2軍でリリーバーとしてのスキル向上を優先する。【前山慎治】