阪神中野がバットで勝利に貢献した。1点リードの8回1死二、三塁。巨人菅野の5球目、フォークボールを中堅左へ2点適時二塁打。「(高橋)遥人さんを何とか楽に投げさせるためにも、追加点がほしい場面でしっかり食らいつくことができた」。前夜は9回に守備でスーパープレーが飛び出し、引き分けに持ち込んだ。この日は相手エースをKOする一打で存在感を見せた。

ミスを取り返した。初回、先頭近本が二塁打で出塁。送りバントを命じられたが、初球を捕邪飛。絶好の得点機でチャンスを広げられなかった。「バントはもう終わったこと。切り替えて、試合が終わるまでは弱気にならず強気で攻めた」。気持ちを強く持って、沈むことなく打席でも守備でも必死でプレーした。8回には三盗も決め、リーグトップの24個目をマークした。

3回には三塁手後方へしぶとく落とす二塁打を放ち、この日菅野から4打数2安打。前回19日の対戦でも2打数1安打で6打数3安打、打率5割と「菅野キラー」となっている。「すべての球種が一級品。どんどん積極的に打ちにいこうというのがいい結果につながっているんじゃないかと思います」と、ここでもやはり強気の中野が好結果を出している。しびれる優勝争いの中、頼もしいルーキーだ。【石橋隆雄】