<DeNA2-5阪神>◇5日◇横浜

逆転Vへ、大きな1本が飛び出した。阪神佐藤輝明内野手(22)が2点リードの初回2死一、二塁で60打席ぶりの安打となる右前タイムリーを放った。

NPB野手ワーストの連続打席無安打は「59」でストップ。苦悩のルーキーは約1カ月半に及ぶ長いトンネルを脱出し、チームもDeNAに快勝。4連勝で3年連続シーズン勝ち越しも決定。首位ヤクルトを逃がさない。

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やれ本塁打記録だ、やれ無安打記録だと騒がれても、阪神佐藤輝明外野手のキャラクターは変わらない。遠征先のホテルではウーバーイーツで大好きなすしを頬張り、フリー打撃でミスショットすれば「あ~!」と本能のまま叫ぶ。2軍でキャッチボールのコンビを組んだ育成2年目の奥山は「そのまんまの青年で、楽しいやつです」と22歳の素顔を語る。

だから、仲間も放っておかない。2軍降格前、ロハスに自身が使用するミズノ社製のソックスを贈ると、MLB選手も愛用するスタンス社製のソックスをお返しにもらった。「ほしいとは言ってないですけど、僕がメジャー好きなので、『あげるよ』って」とニンマリ。この日は散髪して試合に臨み「気分転換の効果ですね」とちゃめっ気たっぷりに話した。ドラフト順位も国籍も関係ない。ピカイチの「愛され力」があるから、復活の一打にベンチは笑顔であふれた。【阪神担当=中野椋】