DeNAは主砲のタイラー・オースティン外野手(30)が左ふくらはぎの肉離れで離脱した。ソトや佐野、宮崎ら4番経験者がいる中で、代わりに4番に座ったのは、ルーキー牧秀悟(23)だった。球団の新人で4番に座るのは、1960年(昭35)6月12日の黒木基康以来61年ぶり。球団が初優勝した同年、主に5番として活躍したスラッガーだ。兄弟で在籍した選手としても知られ、当時は「黒木弟」と新聞に表記されていた。次々と往年の名選手の名前を掘り起こした牧だが、またも球団史に名を刻んだ。

すぐに結果を出した。2回の第1打席は、チーム初安打となる左前打。カウント1-1から西勇の142キロシュートを捉えた。4回の第2打席はカウント2-2から、またもシュートを左翼線にはじき返す二塁打とした。牧の二塁打は今季26本目。新人のシーズン二塁打数で自身の球団記録を更新し、セ・リーグでは、58年長嶋茂雄(巨人=34)98年高橋由伸(巨人=32)に次いで、98年坪井智哉(阪神、現DeNA打撃コーチ)と並ぶ3位タイとなった。

試合前に三浦監督は語っていた。「牧は2番を打ったり7番打ったり3番打ったりしているが、どの打順でも自分の働きをしてくれている」。すぐに指揮官の言葉を証明した。【斎藤直樹】