日本ハムはオリックス22回戦(京セラドーム大阪)に敗れ、リーグ優勝の可能性が完全消滅した。新人最速10勝を目指し先発した伊藤大海投手(24)は6回6安打4失点(自責3)と試合をつくれず、8敗目を喫した。打線も相手守備陣に4併殺を奪われるなど、思うように得点を重ねられずに完敗。チームはわずかに可能性を残すクライマックスシリーズ(CS)進出を目指して、残り18試合を戦う。

   ◇   ◇   ◇

伊藤は敗戦が決まった後、うつむき加減で左翼付近へ歩を進めた。京セラドーム大阪での今季最終戦。チームとして駆けつけたファンへのあいさつも、申し訳なさが募った。「またふがいないピッチングになってしまい、チームに申し訳ない気持ちです」。喫した8敗目は、5年連続V逸の節目にも重なった。

あの手この手を駆使して10勝目を目指したが、2桁勝利の壁は高かった。1点リードで迎えた3回と4回ともにリードを守れず、5回に勝ち越された。「味方に点を取ってもらってすぐに相手に点を与えてしまうなど、先発として流れをつくり切れなかったことが全て」。左足を上げるタイミングや右腕をサイド気味に下げて投球するなど工夫を凝らしたが実らず。これで2桁勝利に王手後は4戦未勝利、自身ワーストの3連敗となった。

ルーキー右腕は敗戦の責任を感じていたが、試合全体がオリックスに支配された負の流れだった。初回は適時失策で先制点を献上した。1点を追う2回無死三塁では相手内野陣が定位置に陣取り、内野ゴロで1点を取らされ、その後は走塁ミスで好機が消えた。3回無死一、三塁では併殺シフトを敷かれ、併殺打で1点のみと思惑通りに守られた。6回は見事な連係プレーで同点機が阻まれた。逆に攻撃を仕掛けられた場面で着実に得点されるなど、今季の両チームの差を表すような1点差負けだった。

日本一となった16年以来のリーグ制覇の可能性が消えた栗山監督は「本当に選手やファンの皆さんに申し訳ないと思うけど、まだ可能性がゼロじゃないので。3位からでも日本一になれる。そこに向かって全力でいくだけなので。まずは、ファンの皆さんに、いろいろ申し訳ない」。伊藤も、チームも、この悔しさをぶつけられる試合が、あと18試合ある。可能性のある限り、最後までファイティングポーズを取り続ける。【木下大輔】

▼日本ハムは7日オリックス戦で敗れ、リーグ優勝の可能性が消滅した。同日終了時点で首位オリックスは65勝50敗16分けで、日本ハムは46勝62敗17分け。日本ハムが残り18試合を全勝すると勝率は5割8厘(64勝62敗17分け)で、オリックスが残り12試合を全敗した場合の5割1分2厘(65勝62敗16分け)を上回ることはできない。17年以降、日本ハム優勝の可能性が消えたのは、17年残り35試合、18年同11試合、19年同10試合、20年同15試合、21年同18試合。