旭川実・田中楓基投手(3年)がロッテから育成1位で指名を受けた。

校内で同期の3年生に見守られながら指名を待った。支配下登録の指名が終わると、不安そうに同期の方へ視線を向けていたが、名前を呼ばれた瞬間、安堵(あんど)の表情。同期からの歓声に右手ガッツポーズで応えた。「本当にうれしいです。いろいろ考えたけど、可能性を信じて待っていた。指名されて良かった」と笑顔で話した。

最速150キロ右腕。父正幸さん(48)は「とても素直な性格。怒鳴ったことがない。とても母(佳子さん)思いで、私たちが言い合っていると『そんな言い方しなくても!』と、妻をかばうんです」と話す。その素直さが、選手としての成長を後押しした。

2年秋にあと1勝で甲子園を逃すと、帰宅後、落ち込んでいる家族の姿を見て「腹減ったー」と、明るくふるまった。田中は「3年間甲子園には出られていないが、その悔しさをバネにプロの世界で頑張りたい。1日でも早く支配下に登録されて勝てる投手になれたら」と下克上を誓う。

日本ハムから7位で指名された大阪桐蔭・松浦慶斗投手(3年)は旭川新富少年団でのチームメート。ドラフト会議前には電話で連絡を取り合い「一緒の球団になれたらいいね」などと話していた。チームは別になったが、リーグは同じ。「小さい時から競い合ってきた。早く投げ合えたら」と思い描いていた。