中日からドラフト2位で指名を受けた駒大・鵜飼航丞外野手(4年=中京大中京)が4-4の7回2死二塁から左翼席へ勝ち越し2ラン。豪快なパワーを見せつけた。

体重100キロの鵜飼がブルンと豪快にバットを振り抜くと、打球はグングンと伸び左翼席へ吸い込まれた。「詰まっていたので、入ると思いませんでした」。カウント2-2からシンカーを芯で捉え、左翼へファウルを打った直後の真っすぐに、体が反応。「ラッキー」と心の中で叫びながら仕留めた。試合後、記者から「パワーですね」と問われ、笑顔で大きくうなずいた。

成長を見せた。春のリーグ戦では追い込まれると三振に。8日の全体練習後、大倉孝一監督(59)がつききりで1時間、200球の打ち込み。「ボールを長く見られるようになりました」と手応えをつかみ、好調につなげた。「インコースを反応で打てたのは初めて。成長したと思う」と胸を張った。

丼メシがパワーの源だ。大学入学時には約80キロも、トレーニングと朝、昼、晩の山盛りの丼メシをモリモリ食べ成長。チームでもナンバーワンの大食漢。毎晩、寮の食事が終わった後も、夜な夜なウーバーイーツを利用して、海鮮丼大盛り2杯がお気に入り。ドラフト会議の直後も「あ~おなか減った~!」と牛丼大盛り2杯を持ち帰りでペロリと平らげ、大物ぶりを見せつけた。

スタンドで視察した中日・米村スカウトは鵜飼の本塁打を「かつての田淵幸一さんを思い出させる」と表現した。滞空時間が長く、きれいな孤を描く美しい本塁打だ。球界のホームランアーティストへ。鵜飼は大きく成長する。

◆球界の大食漢 王貞治は現役時代、中華フルコース3人前に、そば30杯を食べたという伝説が残る。メジャーでも活躍した野茂英雄は、すし120貫を食べたという逸話が有名。同じすしでは、巨人戸根が64皿を平らげたことがある。現役では、レンジャーズ有原は日本ハム時代、焼き肉15人前を食した後、ハンバーガーを食べたが満腹には届かなかった。西武山川とロッテ井上が大学時代に日本代表で一緒になった際には、チキンナゲットを5箱平らげた井上に負けじと、山川もハンバーガーを食べ続けたというエピソードが残っている。