主将の存在なくして逆転Vなし! 阪神大山悠輔内野手(26)が17日広島戦(甲子園)でスタメン復帰する可能性が高くなった。

死球が影響した背中の張りで3試合連続欠場中。矢野燿大監督(52)は「先は分からない」とした上で、ゲームがない2日間を経ての次戦に向けて「いけるんじゃないか」と示唆した。首位ヤクルトを2・5ゲーム差で追って残り8試合。逆転Vへ、4番主将の強行出場がラストスパートへの号砲となる。

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激動の覇権争いも、残すはわずか8試合。主将に、4番に命運を託したくなるのはある意味、必然の流れなのかもしれない。

背中の張りで3戦連続欠場中の大山について、矢野監督は次戦17日広島戦でのスタメン復帰を示唆した。

「また2日空くんで。その間でいけるんじゃないかと思っている。これは今の時点での話なんで先は分からないけど、オレの中でもそう思っている」

15、16日はゲームがない。この2日間で状態が上向けば、GOサインが出る可能性は高そうだ。

想定外の負傷に見舞われたのは7日DeNA戦だった。右腕ロメロの150キロツーシームを左脇腹に受け、苦悶(くもん)の表情で倒れ込んだ。翌8日からの首位ヤクルトとの3連戦は強行出場していたとみられる。

12日巨人戦の練習中に強い張りを抱え、この日と13日の同戦はベンチ入りメンバーからも外れた。それでも前日14日には2日ぶりにフリー打撃、三塁守備を再開してベンチ入り。痛みが完全に消え去ることはないだろうが、たとえ満身創痍(そうい)の状態でもグラウンドに立たせたい存在に違いない。

大山が欠場した敵地巨人3連戦、チームは総力戦で2勝1分けをもぎ取った。主将は14日の練習前、「キリンビール ビッグボード賞」の表彰式に出席した際に「体のことは答えることができないですけど」と前置きした上で熱い感情を言葉に変えていた。

「本当に残り試合も少ないですし、チーム一丸となって頑張っていかないといけない。その中で少しでも戦力になれるようにしっかり頑張りたい」

10月は打率3割7分1厘、4本塁打、8打点。出場11試合連続安打中と好調をキープしている。泣いても笑っても、残り8試合。主将が再び先頭に立ち、1球1球に全身全霊を注ぐ。【佐井陽介】