「平成の怪物」が最後のマウンドに上がる。西武松坂大輔投手(41)が、19日の日本ハム戦(メットライフドーム)で引退試合の先発に臨む。

対戦するのは横浜高の後輩・近藤。前日18日はメットライフドームでの1軍練習に合流し、投球練習を行った。高校時代からその名をとどろかせ、常に世代の先頭を走り続けてきた偉大な投手が、現役生活に別れを告げる。

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慣れ親しんだ本拠地で最後の前日調整を行った松坂は、リラックスした表情で確かめるようにキャッチボールを繰り返すと、捕手を座らせ、おなじみの大きなワインドアップからやや強めに投球。最後は丁寧に一礼してグラウンドを引き揚げると、球団を通じて意気込みを示した。

松坂 今日久しぶりにユニホームを着て練習をして、あらためてここがホームなんだと実感しました。明日はできるだけ多くの方に今の自分の現状を知ってもらえたらと思います。明日対戦するバッターが誰になるのかわかりませんが、申し訳なく思っております。正直、ストライクが入るかどうかわかりませんが、1球で仕留めてもらえたらと思います。

登板は打者1人のみ。コメントが発表された時点で松坂本人はまだ知らなかったが、日本ハムは最大限の敬意を払う。栗山監督は「コンちゃん(近藤)を1番にする」と明言。チームにとって最高の打者で東京五輪で金メダルを獲得した近藤は、横浜高の後輩。「うちの選手で縁があって最大限に」と、最高の舞台を用意する。近藤は引退が発表された7月に「横浜高校と言ったら松坂さん。ずっと追っていた先輩です」と話していた。松坂が中日時代の18年に球宴で初対戦して中前打。昨季は3月の練習試合で四球と右前適時打。対戦成績は2打数2安打だが、公式戦では今回が最初で最後の対戦。大先輩の雄姿を目に焼き付ける。

松坂は14日に「16」から変更した愛着ある背番号「18」で先発マウンドへ。試合前には引退会見も行う。高校時代から世代の中心としてトップを走り、日米通算170勝。「平成の怪物」が最後の舞台に立つ。【鈴木正章】

▽西武辻監督 (打者)1人の予定です。マウンドに上がることがファンへの気持ちを伝えることだから。投げるだけで十分だと思います。「打席も立つか?」って冗談で話はしたけどね(笑い)。