阪神先発ジョー・ガンケル投手(29)が、首位ヤクルトとのシーズン最終戦でベストピッチを見せた。来日2年目で最長の7回2/3を4安打9奪三振無失点。8回2死一塁で2番手岩崎に後を託すと、大きな拍手に包まれてマウンドを降りた。

「サカモトさんがいい配球をしてくれて、配球通りに投げることもできたね。ホントにいいピッチングができたと思うよ」

今季初めてバッテリーを組んだ坂本のリードに導かれ、ツバメ打線を寄せ付けなかった。圧巻は4回。2番からの好打順で青木、山田、村上を3者連続三振。7回1死一塁では再び村上を空振り三振に仕留め、坂本が山田の二盗を阻止。息ぴったりの“三振ゲッツー”に珍しく右拳を握り、感情をあらわにした。

「『やりかえす』って気持ちはなかったね。シーズン通して何回も戦う相手。悪い時があってもまたイチから新しい気持ちで取り組んでいるよ」

前回10日の登板もヤクルト戦(神宮)で、3回2失点で降板。リベンジに燃えている…と思いきや、いたって冷静だった。7回無失点の高橋に1歩も引かず、これで今季ヤクルト戦は6試合で無傷の2勝、防御率1・77。ツバメキラーとして、クライマックスシリーズにも期待がかかる。

初の10勝はお預けも、ローテの一角として走り続けたことは事実だ。「投手コーチ、ブルペンキャッチャー、トレーナーの方。スタッフが1年間支えてくれたおかげで投げることができたよ」。優しいまなざしで感謝の言葉を並べた。

矢野監督も「完璧じゃない? インサイドも攻めながら丁寧に丁寧に行きながら、球の力もしっかりあった」と手放しでたたえた。泣いても笑っても残り4試合。助っ人の魂の94球を無駄にはしない。【中野椋】

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