負けられない試合を守ったのは、やはり阪神の鉄壁リリーフの2人だった。

1-1の8回を託されたのは、もちろん岩崎だ。1死から代打堂林の打球はフェンスギリギリの右飛となったが、続く小園を三ゴロに打ち取り、きっちり3人で終わらせた。

最終回に仁王立ちしたのは守護神スアレス。「大事な試合だったので仕事ができて良かったし、明日は勝てるように頑張りたいよ」。3番西川を二ゴロ、4番鈴木誠には剛速球を決めて空振り三振。坂倉の中前打から2死二塁とされたが、最後は菊池涼を中飛に打ち取った。2年連続のセーブ王を確定させている右腕は、これで13試合連続無失点。緊迫の場面でスコアボードに「0」を刻むと、穏やかな表情で坂本と互いをねぎらった。

矢野監督は6回の攻撃で、好投していた先発秋山に代打を送っていた。「うちは負けてはダメなので。アキには申し訳ないけど、よく粘ってくれていたけど、代えるしかないかなと」。心強い救援陣が控えるからこその勝負手。アルカンタラ、馬場が応え、頼もしい2人につないだ。指揮官も「今、打線も決していいとは言えないし、チカ(近本)のけがもあるし、その中でなんとかしようという粘りはみんな見せてくれている。それがなんとか引き分けにつなげてくれた」とブルペン陣をたたえた。

9日ヤクルト戦では今季初の「ダブルまたぎ」をするなどフル回転を続ける2投手。岩崎、スアレスがともに登板した試合は41勝2敗7分けと高勝率で、後半戦は1度も敗戦がない。残りは2試合。逆転Vへ腕を振る。【磯綾乃】