今季で現役生活にピリオドを打つ阪神岩田稔投手(37)がレギュラーシーズン最終戦となった中日戦後に甲子園で引退セレモニーを行った。その後の取材で、率直な心境、後輩への思いなどをたっぷりと語った。

岩田稔の主な一問一答は以下の通り。

    ◇    ◇   ◇

(テレビ取材)

 

-特別な1日が終わった

「終わってしまったなと。そんな感じです」

-どんな思いで迎えたか

「チームが優勝争いをしている中、こういうセレモニーをやっていただいた。本当に感謝しています。チームは負けてしまいましたけど、これからのCSや日本シリーズが続いて、勝負していってくれると思うので、そこをしっかり応援していきたいなと思います」

-16年間の最後の雄姿。どんな自分を見せたかったか

「引退のあいさつの中で文章を考えずに、その場で出てきたことで自分の思いを伝えたかったので、しっかりしゃべれたんかなと。分からないですけど、僕なりに感謝の気持ちを伝えられたと思います」

-最後は甲子園球場を1周した

「もうこういうこともないんだなと思いながら、かみしめて歩かせていただきました」

-「勇気をありがとう」などのプラカードも

「むちゃくちゃうれしかったです。逆に僕が勇気とかそういうものをいただいていたので、たくさんの応援していただいた方には、本当に足りないぐらい感謝の気持ちでいっぱいです」

-1型糖尿病患者からのビデオメッセージもあった

「ああやって言っていただけるのはうれしかったですね。まだまだ1型糖尿病ということが認知されて、治る病気にはなっていないので、治る病気になるように、全国のみんなに知ってもらえるような病気になるように、これからもいろいろ活動していきたいなと思います」

-ご家族との思い出作り。ファーストピッチでは息子の球も受けた

「僕より良い球放っていましたね。めちゃくちゃクロスファイアで、良いボールでしたね。子どもって親が知らないところで成長しているなというのを感じました」

-ご家族にとってもいい思い出

「はい、タイガースの球団には本当に感謝したいですね」

-チームメートには試合前に岩田からメッセージ

「こうやって優勝争いしている中、セレモニーを開いていただいて、本当に感謝しているということと、『一緒にビールかけ交ぜてくれ』と伝えました。セ・リーグ優勝とはならなかったですけど、日本シリーズに行って日本一になってくれるんじゃないかと思います」

-ラストピッチでは梅野に投げた

「全然、投げられなかったですね。その前にブルペンで(肩を)作らせてもらったんですけど、準備って大事だなと思いましたね。ウメがあそこまで成長してくれているので、入団した時からバッテリーも組ませてもらったし、梅野の成長も見届けながら引退できるので良かったなと思います」

-チームメートにかける言葉は

「そうですね。目の前の試合を命かけてでももぎ取っていってほしいなと思います」

-16年間のプロ野球人生に終止符

「僕自身の体にはお疲れさんと言いたいですね。でもここからなんで。今までやってきたことを継続して、やっていきたいなと思います」

-あらためて今後の人生、病気と闘う人たちに対しては

「選手の時は全国を回ることができなかったんで、全国を回って、1型糖尿病の方たちと交流していけたらなと思います」

-全国のタイガースファンの皆さんに

「16年間、たくさんの応援本当にありがとうございました。自分1人ではここまでやってこれなかったので、皆さんの声援があってこその16年だったと思います。本当にありがとうございました」

 

(囲み取材)

-ラストピッチは内角低め

「垂れた真っすぐでした。持ち味のボールでした」

-盛大なセレモニー。感無量

「なかなかセレモニーも、やってもらえること少ないと思う中で、自分が『あんな成績やったのにええのかな』と思ったりしながらこの日を迎えました」

-チーム的には苦しい試合。まだ戦いが続く意味では心底応援できる

「そうですね、テレビの前でワーワー言うてるかもしれないですね」

-10月は粘り強い戦い

「そうですね、強いですね」

-後輩たちが成長

「すごかったですよね、ピッチャーにしろ野手にしろ。あんなに成長した姿をけっこう見れてたので、なんかうれしかったですね」

-藤浪も来ていた

「ほんま、9回のときに『あれ、晋太郎来たん?』というそんな感じです。『ありがとう!』と言って」

-大阪桐蔭の後輩として

「1人の後輩、大阪桐蔭の後輩として気になる存在ですし、入団当初からいろいろ飯も行ったりしてたのでこれからの晋太郎が楽しみやなという感じです」

-たくさんの方がビデオで糖尿病患者がメッセージをくれた。やってきて良かったなと感じる部分は

「ありますね。やっぱりこう、やってきた活動に対してああやって応えてくれることもなかなか少ないと思うので、間違いじゃなかったのかなというのは思いました。これが終わったわけではないので、これからもどんどんそういう活動は続けていけたらと思います」