広島は9日、新外国人選手として最速156キロ左腕のニック・ターリー投手(32=ホワイトソックス傘下3A)と契約を結んだことを発表した。

契約金10万ドル(約1100万円)、年俸65万ドル(約7150万円)プラス出来高払い。広島ではドリュー・アンダーソン投手(27=レンジャーズ)、ライアン・マクブルーム内野手(29=ロイヤルズ)に次ぎ、早くも今オフ3人目の助っ人加入が決定した。

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シーズン終了から8日目の午前11時、広島から早くも今オフ3人目の新外国人選手との契約合意が発表された。身長193センチ、体重104キロの大型左腕、ターリーだ。球団を通じ「カープおよび広島のみなさまのためにプレーできる機会を頂けて興奮しています! シーズンが始まることを待ちきれません。応援よろしくお願いします」と熱気のこもったコメントを寄せた。

最速156キロの直球と大きく曲がるカーブをベースに、スライダー、チェンジアップなどを操る中継ぎタイプ。今季は3Aで43試合に登板し、1勝4敗6ホールド5セーブ、防御率5・02。奪三振率は12・56と高い数字を残した。直球は平均で150キロ台前半を計測するといい、球団幹部は「ストレートで結構バシバシ押し込む感じ」と説明。起用については来季の去就が未定のバードのようなワンポイント中心ではなく「1イニングは任せられるだろう」と明かした。

今季チームは絶対的守護神の栗林につなぐリリーフ陣を固定できなかった。ホールド数ではヤクルト清水が「50」、阪神岩崎が「41」を記録しているのに対し、チームトップは塹江、森浦の「17」にとどまった。佐々岡監督は「球団から『後ろを期待できる』と言われていた。栗林の前ができるかどうか見てみないとわからないけど、期待したい」と胸を膨らませた。助っ人左腕の働きぶりが、課題克服への鍵となりそうだ。

ターリーはパイレーツ時代の18年1月に、ドーピング検査にて陽性反応を示し、同年の開幕から80試合の出場停止処分を受けていた過去がある。球団は事実を把握しており、その後の投球内容と、調査を重ねた上で獲得を決断した。万が一再び陽性の反応があった場合は、当該選手に限らず厳しい措置を取る構えだ。

先発候補のアンダーソン、3A32発のマクブルームに続く迅速な補強で、佐々岡体制3年目をバックアップした。3年連続Bクラスからの脱出&4年ぶりのV奪回へ、着実に土台を固めている。【古財稜明】

◆ニック・ターリー 1989年9月11日、米カリフォルニア州出身。08年MLBドラフト50巡目でヤンキースから指名されプロ入り。ジャイアンツ、レッドソックスを経て、17年にツインズでメジャーデビュー。20年はパイレーツに所属し、21年からホワイトソックス傘下に移籍。メジャー通算35試合で、0勝5敗3ホールド1セーブ、防御率7・78。マイナー通算は219試合で、53勝51敗8ホールド7セーブ、防御率3・51。193センチ、104キロ。左投げ左打ち。