ロッテのドラフト1位、市和歌山・松川虎生捕手(18)が24日、球団と正式契約をした。井口資仁監督(46)が「日本一の捕手になれる選手だと思っています」と高く評価する逸材が、近未来の常勝軍団を目指すチームに加わる。

意識は高く、ドラフト指名後はポストシーズンも含めてチームの戦いぶりを「1戦1戦、すごく、見させていただきました」と話す。CSで先発した佐々木朗希投手(20)の投球ももちろん観戦。「テレビ越しでもすごく圧を感じました」と振り返った。

佐々木朗や今季10勝を挙げた小島和哉投手(25)、来季リハビリから復帰する種市篤暉投手(23)らを中心に、5年後のロッテ投手陣はかなりの充実ぶりが予想されている。彼らを将来的に支えていく不動の正捕手は、若手の中から台頭してくるのか-。中長期的にチームの命運を握る。

高校トップ級の能力が順調に伸びれば、打力のある松川がどしっと収まる可能性は十分にある。今回、高校生捕手の1位指名に大きな刺激を受けたのが佐藤都志也捕手(23)だ。

「変な焦りというよりも、自分の中では逆に燃えるじゃないですけど、来い…と、心の中ではそう思ってやっていますね」。

19年ドラフト2位で東洋大から入団。打率こそまだ低いものの、打球の強さはチームトップクラスで、勝負強さも発揮している。一方で今季は捕手としての課題も多く生まれ、秋季練習ではディフェンスを懸命に磨いている。

佐藤都と同期入団の植田将太捕手(24)は今季、捕手に故障者が続出する中、ほぼ1人で2軍戦のマスクを担った時期も。夏のエキシビションマッチで守備面で大きく首脳陣にアピールし、支配下登録を勝ち取った。昨秋育成ドラフト1位の谷川唯人捕手(19=立正大淞南)は腰の手術を経て、今季終盤に2軍で実戦デビュー。スローイングの良さで存在感を見せ始めている。

松川と同い年の育成ドラフト4位、幕張総合(千葉)の村山亮介捕手(18)も加わる。5年後、果たして誰がロッテの要に。マスクの下に闘志を潜め、力をぶつけ合う。【金子真仁】