阪神のアイデアマン坂本誠志郎捕手(28)が3日、兵庫・西宮市内の球団施設で契約交渉に臨み、500万円増の年俸2200万円でサインした。今季は7月3日広島戦から自らの発案で本塁打を放った選手を“虎メダル”で祝うようになった。更改後の会見で「チームのためになると思ってやったこと」と振り返り、「チームのためになると思ったら僕じゃなくてもいい。個人個人が行動を起こすことが大事」とナインにも企画立案を求めた。さらに「ファンの方が(考案)したものがあれば考えようかな」と続け、アイデア募集の域はグラウンド外にまで飛び出た。

そのアイデアを来季は正捕手としてチームに生かしたいところ。今季はレギュラーシーズン最終戦まで11試合連続でスタメンマスクをかぶり、10月13日巨人戦で2年ぶりの本塁打となるソロを菅野から放つなど終盤になって存在感を示した。6年目で自己最多の45試合に出て、改めて感じた。

「最初から出て、最後まで勝つ瞬間にグラウンドにいるというのが、一番やっぱり気持ちいい。それができる技術と準備が必要。僕がスタメンで出たのは後半の何試合だけで…140試合出るとどうなるんだろうと不安もありながら、期待というかやってみたい気持ちもある」

控え捕手から脱却するためのアイデアはシンプル。来季も阪神でプレーすることが決まったライバルとの競争に勝つことだ。「梅野さんを超えないと試合に数多くは出られない」。先発マスクは坂本の18試合に対し、梅野は125試合。「少しでも近づけるように、そして追い越せるように。また一番近いところで勉強させてもらえると思うと、向上心も出てきます」。激しい正捕手争いは早くも火花が散っている。【前山慎治】

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