球界最小兵選手になるべく、西武のユニホームに袖を通した。10日、都内のホテルで新入団選手会見が行われ、育成ドラフト2位指名を受けた関根学園・滝沢夏央内野手(18)が出席した。

身長164センチで、球界でもっとも身長が低い選手となる滝沢は「球界一身長が低い。この身長だったからこそ、ここに立っていると思う。この身長でもできるんだっていう夢を与えられるような選手になれるように頑張ります」と、少し大きめのユニホーム姿で大きく胸を張った。

本職は遊撃手で、これまでのプロフィルは167センチと記載。「それは違います…。盛ってたんだと思います(笑い)。それを売りにしていこうと思っているので、それで覚えてもらえるように」と計り直した正確な数字を申告した。これまでも「ずっとこれから伸びるんじゃないかなと思ってここまできました」。小学校からずっと背の順は一番前。成長を信じ続け「まだ止まっていないんです。ちょっとずつ。まだ諦めてません」とあどけない表情で笑った。

それでもプロに注目され、指名を受けたのは、地元・新潟で「牛若丸」の異名を持つほど体の身のこなしがあるからだ。潮崎編成ディレクターも「守備は本当めちゃくちゃうまい。ほれぼれするよ」と目を細める。50メートル走は5秒8。新潟という土地柄もあって、雪の上でスノーボードを乗りこなす。8月13日生まれで、「夏の真ん中に生まれたから」と夏央(なつお)と名付けられた。

野球で生きる道を見いだし「野球が楽しくて好きだったのでここまでやってこられた。小さい頃からずっとプロ野球選手というのはぶれなかったですし、これからが自分のスタートなので頑張るだけです」。牛若丸ならぬ獅子若丸となって、メットライフドームで大暴れする。