2年目はゲームの世界でもブレークする。日本ハム伊藤大海投手(24)が17日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で自主トレを行い、ツーシームの質を上げることを今季の課題に挙げた。昨季も投げていたがモバイルゲーム「プロ野球スピリッツA(プロスピA)」の持ち球になく、「精度を上げ設定に加えてもらい、強い投手にしてもらえるようにしたい」と狙いを説明。プロスピと現実の「大海ステータス」をダブルで上げる一石二鳥の策で、躍進につなげる。

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伊藤が念入りに新たな武器を仕込んでいく。この日は鎌ケ谷で約1時間、じっくりキャッチボール。その中で意識的に取り組んだのがツーシームだった。「去年も投げていたが、しっくりこなかった。今年は投げ始めからいい感じ。しっかり使えるようにしたい」と強い口調で話した。

昨季は球団15年ぶりの新人10勝を挙げるなど活躍も、気になることがあった。それはプロスピAでの自身の球種。伊藤は直球の他にナックルカーブ、スプリットチェンジなど8種類の変化球を投げる設定だが、ツーシームはない。自身もゲームをすることがあり「(中日)大野雄さんの150キロ近いツーシームが本当に打てない。僕も認知されるぐらい試合で使えば球種に入る。強い設定の投手になりたい」と思い描いた。

当然、ゲーム上だけでなく、リアル大海も同時にスキルアップさせる。「ツーシームの精度を高めることで、投球の幅が広がる。右打者に内角を意識させることができるし、ゲッツーも取りやすくなる。スライダーも生きる」。1年目からチームの柱として奮闘し、東京五輪では金メダル獲得にも貢献した。2年目は武器を増やし、プロスピAとダブルでの活躍を目指す。

鎌ケ谷では、新人合同自主トレ中のドラフト5位畔柳亨丞投手(18=中京大中京)らからアドバイスを求められるなど、早くも先輩としての役割をこなし始める。「僕もまだまだですが少しでも力になれたら」。後輩の能力値アップにも尽力していく。【永野高輔】