疫病退散! とばかりに、BIGBOSSがド派手な衣装で登場だ。日本ハム新庄剛志監督(50)が30日、春季キャンプ地の沖縄入りした。那覇空港に到着するやいなや“お色直し”をへて、古い野球のグラブ約40個を使用したロングコート姿に大変身した。チームはコロナ禍で選手が次々離脱。監督として、難しいかじ取りを強いられることになったが、BIGなパワーで苦境を乗り切る。

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空港の到着ロビーに現れたBIGBOSSは、プロ野球の監督というよりも、まるでロックバンドのスターのようだった。東京を出発するときに着ていたシックなロングジャケット姿から大変身し、待ち受けていた報道陣約70人、一般客約50人の前に登場。「道具を大事にするチームにしたい」。不要となった約40個の野球グラブを縫い込んだ個性的なロングコート姿に、チーム作りへの思いを込めた。

構想は1カ月あまり。17年間の現役生活を、1つのグラブで全うした新庄監督らしい、晴れの日の衣装だ。「捨てられそうなグラブでも、1つの作品ができる。この作品のように、ファイターズもキャンプで1つのものを作り上げていきたい」。足元の革靴も、グラブの廃品利用。「僕は守備の人間だったので、グラブは宝物というか命の次に大事だった。エラーをグラブのせいにする選手は大っ嫌い」と、熱弁した。

キャンプインを2日後に控えたこの日、上沢、伊藤の投の2本柱が新型コロナの陽性判定を受けるなど、チームではこれまで10選手を含む12人が罹患(りかん)した。「どんなキャンプにしていけばいいのか。頭の中では描けているけど、選手が故障したり、病気にかかったりした時に変わってくる」。随所で方針転換など、素早い判断が求められることになるが「ボスがウジウジ、ウジウジしていたら話にならない」と、前向きだ。監督として初めて迎える春季キャンプは「(現役時代より)楽しみ。スリリング」。持ち前の明るいパワーで苦境をはねのけ、チームの大改革に着手する。【中島宙恵】