ヤクルトも村上も斬るぞ! 阪神の開幕投手最有力の青柳晃洋投手(28)が、4回2安打無失点の好投で、自ら当確をアピールした。

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「まだ言われていないけど、このまま金曜日で(先発ローテを)回ったらそうなると思っている。ずっとシーズンオフから準備してきた。いつ言われてもいいように準備はしています」。この日、25日の開幕戦ヤクルト戦と同じ金曜日の日の先発を任された意味を十分自覚していた。

課題の左斬りにも成功した。楽天は9人中、8人の左打者を並べてきた。それでもキャンプからの継続で、配球の引き出しを増やすため、昨季7割を占めた得意のスライダー、ツーシームを3回まで封印。そして左打者には「一番はカットボールが収穫」と、昨季まであまり使っていなかった“新球”を鋭く内角に食い込ませ、凡打の山を築いた。

象徴的な場面は3回2死満塁のピンチ。昨季打点王の4番島内を左打席に迎えた初球だ。内角高めのカットボールで狙い通りファウルを打たせた。「島内さんみたいな素晴らしい打者を相手に、意図して内角でファウル。やりたいことができた1球でした」。内角を意識させ、次の外角カットボールでミスショットを誘って投ゴロに仕留めた。

開幕相手のヤクルト4番村上には昨季15打数8安打、打率5割3分3厘、3本塁打、5打点と打ち込まれた。だが村上封じにこのカットボールが有効なはずだ。昨季のヤクルト戦は先発7試合で4勝1敗の好相性だが「僕の中では昨年のままでは勝てない。変わりたいと挑戦している」と、さらなる進化を具現化中だ。

この日は甲子園での今季初ゲームで、堂々と“開幕投手”を務めた。球場正面に掲げられている4人ののぼりは、矢野監督、近本選手会長、坂本主将、そして投手代表の青柳だ。エース襲名が期待される22年、開幕にふさわしい男が、着々と白星発進の準備を進めている。【石橋隆雄】

▼青柳は左打者に対し、プロ通算の被打率が2割7分7厘。対右打者の1割9分6厘から大幅に悪化する。特にヤクルト村上には通算4割4分1厘、6本塁打と打ち込まれ大の苦手としている。昨季も15打数8安打で被打率5割3分3厘、3本塁打も浴びるなど、天敵退治が課題になっている。