東日本大震災から11日で丸11年となった。自身も被災しながらプロ野球選手になる夢をかなえたロッテ佐々木朗希投手(20)は今季、プロ3年目を迎える。オープン戦時点から160キロ台の直球を連発し、応援の機運も高まる。

故郷の岩手・陸前高田市では市民有志による「佐々木朗希選手を応援する会」が、近日中に発足する予定になっている。規約策定も進み、3月25日のシーズン開幕までには設立総会が開かれることになりそうだ。

野球が盛んな陸前高田では、郷土のヒーローへの応援熱も高い。「朗希君の応援を生きがいにしている人もいる」(市関係者)というほどで、今回の会発足も必然の流れとなった。発起人はシニア世代も含めて8人前後。かつて少年野球チームの指導者として“朗希少年”に野球を教えた村上知幸さん(51)も、発起人の1人に名を連ねる。

今年1月9日の成人式で再会し、佐々木朗本人からも快諾を得たという。発足当初の会員数規模は「まだ想像がつきません」(村上さん)とのことだが、現在の陸前高田市民に加えて、震災後に市外へ転居した人も入会対象になる見込み。「徐々に仲間を増やして、横断幕とかも作って朗希君を応援していければ」と構想している。

佐々木朗は昨年8月27日にも仙台・楽天生命パークで先発し勝利投手となったが、コロナ禍のため観戦を泣く泣く自粛する市民も多かった。「状況次第ですが、観戦ツアーとかも少しずつやっていければ」と村上さん。“オール高田”で後押しする。【金子真仁】