ソフトバンク柳田悠岐外野手(33)が11日、オープン戦のヤクルト戦(神宮)で今季の実戦初本塁打を放った。

変化球に泳がされながらも、最後はほぼ右手1本で右翼席に運んだ。「これが入るのか」という難しい体勢からの本塁打に対して、ネット界隈を中心に「変態アーチ」と表現される、柳田らしい1発を披露。18年36本を上回る40本塁打を目標に掲げる22年シーズンに向け、まずは第1歩を踏み出した。

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2週間後は、BIGBOSSを仰天させるかもしれない。柳田自身、驚きの1発だった。4回無死。打った瞬間、右飛かと思った打球は、伸びて右翼席に届いた。「泳いで詰まったのでスタンドまでいくと思いませんでした。びっくりしました」と柳田。藤本監督は「泳いでもしっかり振れているからあそこまで飛ぶ。これで状態をどんどん上げていってくれたら」と、頼もしそうにうなずいた。

柳田が掲げた「40発」の目標は「馬主になる」という夢につながっている。自主トレ参加メンバーの西武戸川の父洋二さんは、競走馬育成牧場「戸川牧場」代表を務める。洋二さんとかわした「40本塁打を打てば競走馬をもらう」という約束が。大きなモチベーションの1つになっている。

それだけに、ある音に燃えた。ヤクルト塩見が中央競馬の「関東G1ファンファーレ」の登場曲で打席に入り、初回先頭打者アーチを打った。DH出場のためベンチで聞いていた柳田は「楽しみにしてました。良かったです。ファンファーレからのホームラン、さすがだなと思いました」と目を輝かせ、自身も本塁打で応酬した。

開幕まで残り2週間。25日には新庄BIGBOSS率いる日本ハムと激突する。柳田は昨年、ロッテとの開幕戦で1号をマーク。ここ3シーズンは開幕カードでシーズン初本塁打を放っており、新庄監督御前弾が出る可能性もある。

求める理想は、まだまだ高い。「打ち方自体はいいんですけど、まだまだ芯にもあたってないですし、まだまだという感じですね。しっかりコンタクトできるように、自分でいろいろ試しながらやっていきたい」とオープン戦残り7戦、試行錯誤を続ける。主将として挑む22年。自身の大目標とV奪回のため、キャリアハイのアーチを量産する。【山本大地】

▽ソフトバンク栗原(3打数2安打でオープン戦2度目のマルチ安打)「とにかく毎日、必死に取り組んでいます。まだまだなので、開幕までにやるべきことをやっていきたい」