広島がDeNA相手に10得点を奪い、リーグ初となる開幕から2試合連続2桁得点で連勝発進を決めた。

菊池涼介内野手(32)はチーム初本塁打となる1号ソロを含む2安打に加え、いずれも得点につながる2犠打で打線を活性化。攻守両面で際立つ存在感を発揮し、メジャー移籍した鈴木や外国人野手不在の劣勢を吹き飛ばす好スタートに一役買った。

【ニッカン式スコア】26日のDeNA-広島戦詳細スコア

小技と堅守で試合を引き締めていた菊池涼が、大技で試合の行方を決定づけた。2点差に迫られた5回。先頭の菊池涼は、大貫の浮いた真っすぐを逃さなかった。「反応できたという感じです」。左翼方向に上がった打球は風にも乗り、赤く染まったスタンドに吸い込まれた。22年のチーム初本塁打から再び勢いづいた打線は、リーグ初の開幕から2戦連続2桁得点。開幕2連勝の好発進を決めた。

開幕から潤滑油としての存在感が際立つ。1回は無死一塁、3回は投手が二塁走者の無死一、二塁で完璧な犠打で走者を進めた。開幕2試合ですでに昨季の2犠打を上回る3犠打。いずれも得点につながっている。「出たサインに忠実にできるように準備している」。大技の飛び道具も併せ持つ、つなぎ役が大量得点の打線を活性化させている。

流れを手繰り寄せるだけでなく、再三の好守で相手に流れを渡さない。3点差に迫られた4回。なおも1死一、三塁から宮崎の一二塁間の鋭い当たりをダイビングキャッチで阻止した。2点差になったものの、抜ければさらに一、三塁とピンチが広がっていた場面だった。「若い選手と一緒に特守受けて、投手陣と一緒に走ったりしてきたから足が動いているのかもしれない。求められていることをまっとうしようと思ってやっています」。的確なポジショニングも含め、ピンチを未然に防いでいる。

佐々岡監督は「キクがしっかりとバントを決めてくれた」と2番打者の働きに最敬礼だ。守備ではセンターラインの一角として引き締め、攻撃ではつなぎ役に徹する。菊池涼は「今のところかみ合っているかなと。ここからどうなるか分からないので、引き締めてやっていきたい」と気合を入れ直した。黒子に徹する実力者が、開幕連勝スタートの好循環を支えている。【前原淳】