念願の1打となった。楽天田中和基外野手(27)が、サヨナラ打でチーム今季初勝利をもたらした。

【ニッカン式スコア】27日の楽天-ロッテ戦詳細スコア

2年ぶりの延長戦。11回2死二塁で迎えた第5打席。「このカウントしかない」と2ボールから低めの145キロ直球を鋭くスイング。打球は中堅手の頭を越えた。サヨナラ適時二塁打。「本当に良かったなって。これからのシーズンは別として今日はいいところを出せたなと思った」。ベンチを飛び出した仲間から祝福を受けながら、しみじみと喜びをかみしめた。

18年に新人王に輝くも、以降は不振が続いた。今季もオープン戦ではバットは湿り気味で、開幕戦の先発中堅手を内野手登録の小深田に譲った。「自分が結果を残せなかったという結果なので、そこを受け入れて。やらなければいけない立場になっている。そこを覚悟決めてやっている」と執念でバットを振り抜いた。

西川や島内、和田や新外国人のマルモレホスらがひしめく外野手争い。闘志を内に秘めながら、ひたむきに自身を見つめる。「僕や辰己がバッティングで結果を残せばいいだけのこと。まず自分のいいところを出せればおのずとアピールになる」。チャンスで結果を出し続け、定位置再奪取を狙う。【湯本勝大】

▽楽天石井GM兼監督(6回1失点と好投した先発岸に)「勝たせてあげたかったなというところはある。相手は佐々木くんと好投手。なかなか点を取れない中で、選手が頑張って点を取ってくれた。岸も最少失点で粘っていたので、勝たしてあげたいゲームでした」