楽天の新外国人ホセ・マルモレホス外野手(29)が、合流即2安打の活躍を見せた。オリックス戦に「5番指名打者」でスタメン出場。第2打席の4回に中前安打で来日初安打を放つと、8回には右前打でマルチ安打をマークした。ファームから合流し“デビュー戦”での活躍に、得点にこそ絡むことはなかったが、大きな期待を抱かせた。

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タイトなユニホーム姿で、アジャストするように打席に入った。4回の第2打席、マルモレホスは打てる球を見極めていた。カットボールを見逃し、カーブを空振りし、2球で追い込まれた。3球目はボール。カウント1-2から、高めの真っすぐを中前へはじき返した。記念すべき来日初安打。「打った瞬間はヒットになってくれてよかったと思いましたが、それよりも自分が初ヒットを打った試合でチームが勝てたことのほうがうれしいですね」。チームの逆転勝利を喜んだ。

左投げ左打ち。3AでMVPを獲得した長距離打者だ。マリナーズでは2シーズンで10本塁打をマークした。それでも、デビュー戦には緊張感を漂わせ「どこのリーグでもシーズン最初のゲームは気持ちが入りすぎてしまうので、自分の中で努めて穏やかに落ち着いてゲームに臨もうと思いました」と、興奮を抑え込みながら臨んだ試合だった。

8回無死一塁の第4打席は146キロの直球を右前へ引っ張り、チャンスを広げた。マルチ安打にも「まだまだアジャストしないといけない部分が多いので、1日1日やるべきことをやってあまり先のことは考えずに楽しんでやれれば、いい結果はついてくる」と満足はしない。石井GM兼監督は「そんなにすぐに対応できると思っていないんで、あんまり厳しく見るのはよくない」と、打席に立たせながら慣れさせる方針だ。

初安打の記念球を受け取ると「自分の家にこれまでの記念のボールを飾っている場所があるので、そこにNPB初ヒットの記念に飾ろうと思います。これまでのボールも特別ではありましたが、今日のボールは自分の中でもとても記念になるものになった」と表情を崩した。手応えとともにデビュー戦を終えた。